【梁と長押】について

後山山荘を見学するポイントは、いくつもありますが、梁や長押などに注目してみるのも一興かと思います。

後山山荘は、昭和初期(1920年代後半)の建物ですが、2009年に再発見された折には、大半が崩落寸前の状態でした。

これを、修理でも、復元でもなく、コンバージョンという形で再生させたわけです。

つまり、藤井厚二のオリジナルの部分に、前田圭介の新解釈の部分を加えさせた形になっているのです。これが、梁や長押の部分に見ることができるのです。

写真では分かりにくいかもしれませんが、古い丸太(左側)に新しい丸太(右側)が継ぎ足された梁が見えますでしょうか。

また、その下の長押も柱の挟んで、新旧に分かれています。新しいものには古色を付けず、新品のまま加え、オリジナルの部分を分かりやすくしているのです。 近代建築と現代建築との、「夫婦別姓」のマリアージュといったところでしょうか。

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